分析発表演習・方針立案演習とは

 


分析発表演習又は方針立案演習は、デスクワーク(分析)とプレゼンテーション(発表)がセットになった人材アセスメント試験の演習です。


係長昇格試験等の初級管理職昇進試験から部長昇格試験等の上級管理職昇進試験まで幅広い階層の人材アセスメント試験にて使用されています。


分析発表演習又は方針立案演習の呼び名は様々で、戦略策定エクササイズやビジョン策定演習と呼ばれる場合もあり、研修会社によっても呼び名は異なりますが、基本的な名称は「Analysis & Presentation」、略してAPと呼ばれます。


このページでは、呼び名を分析発表演習(AP)に統一して記述します。
 

分析発表演習(AP)の特徴


分析発表演習(AP)が幅広い階層の昇進試験で使用される理由は、思考能力と対人の能力について、数多くのディメンションを網羅的に評価できるという特徴があるからです。


例えば、問題発見をはじめとする分析的な能力、計画力も評価されます。更に、プレゼンテーションではリーダーシップも評価されます。極端なことを言えば分析発表演習(AP)だけでも人材アセスメント試験は成立はします。

ただし、対個人の対人能力については、分析発表演習(AP)だけでは評価することは難しく、感受性や共感性のようなディメンションを評価するためには、面接演習(IS)と組み合わせる必要があります。昨今、実際に行われている人材アセスメント試験においても、分析発表演習(AP)&面接演習(IS)の組み合わせが散見されます。
 

分析発表演習(AP)の制限時間や演習の流れ


分析発表演習(AP)では、最初に設定状況やデータが記載された資料が渡され、その資料を分析し、模造紙(プレゼンテーション用の資料)に2〜3時間程度で自分自身で考えをまとめ、次に他の受講者(最大8人程度)の前で15分程度でプレゼンテーションを行うという流れで演習が行われます。

長いように見えますが、実際に取り組んでみると時間が足りないと感じる方が多くいます。つまり、この点で時間管理能力が見られていることになります。
 

分析発表演習(AP)の難易度は


人材アセスメントの演習は一般的に、文章・データの量(情報量)と制限時間を天秤にかける形で難易度が決まります。情報量が少なくても、時間が短ければ難易度は難しくなります。

また、階層によって仕事に求められる能力は異なりますので、上級管理職向けの分析発表演習(AP)は戦略・経営的な観点が求められることになります。これをもって難易度が高い低いを論じることはできませんが、少なくても日常的に現場でプレイヤー的な仕事をしている人にとっては難易度が高いと感じるでしょう。
 

分析発表演習(AP)の演習課題の種類


分析発表演習(AP)の演習課題には大きく分けて、「事業」的側面が強いものと、「組織」的側面が強いものがあります。

前者では、マーケティングや戦略的な観点が求められます。この演習課題は、例えば、苦境にある営業所の経営改善を行うという状況設定になります。また、全社的な視点で事業のポートフォリオから考えていくタイプの演習課題もありますが、基本的に求められる能力は変わりません。

後者については、組織の問題点を見つけ出して改善策を練るという演習課題になります。例えばM&Aを行った組織でセクショナリズムが発生している等の状況設定になります。弊社で確認している限りではこのタイプの演習課題を導入している会社は少数です。

前者・後者で違いが大きいように見えますが、基本的に求められる能力にそれほど変わりはありません。演習課題の種類が変わると対応できないという状況に陥らないためにも、何が何でもSWOTや3C等の戦略的なフレームワークを使ったり、定型フォーマットに無理やり当てはめて記述するなどせずに、自身の思考能力で対応することが理想です。

尚、弊社で提供している演習課題は前者のタイプです。
 

階層によって演習課題の内容が変わる


上記の難易度についての記述とやや重複しますが、昇進対象の階層によって、評価軸(ディメンション)が変わるため、演習課題も変わってきます。

例えば、初級管理者では、隠れた問題の発見能力等や計画力がみられるような演習課題になりますが、課長昇格試験になると、演習課題のボリュームが増し、より複雑になり、より分析的な能力が必要とされるとともに人的資源の活用という視点も求められるようになります。そして、部長昇格試験等の上級管理職昇進試験になると、経営的な方向性やビジョンの明確化が求められる演習課題や経営判断を行う演習課題が多くなります。
 

分析発表演習(AP)の類型


分析発表演習(AP)の類型として、インバスケット演習に分析とプレゼンテーションを盛り込んだIBAPという演習もあります。この演習は、インバスケット演習に取り組んだ後、追加の資料を渡され、分析を行い、模造紙を作成することになり、インバスケット演習と分析発表演習を同一の演習課題を使って続けて行うことができ、より精度の高いアセスメントが可能となります。
尚、求められる能力は通常の分析発表演習(AP)と同じですので、過度に構える必要はありません。