インバスケット演習とは

 


 

インバスケット演習(IB)とは、インバスケット・エクササイズとも呼ばれ、人材アセスメント試験の演習の一つです。


問題発見能力や決断能力など多岐にわたる思考能力が高精度に評価できることから、人材アセスメント試験の演習の中でも最も多く使用されるポピュラーな演習となっています。


この演習の名称の元となっている「インバスケット」とは、管理職の机の上に置かれている未決書類を入れる未決箱を指します。管理職は日常業務として、この箱の中から書類を取り出し、目を通しながら承認/否認を行い、必要に応じて指示を出し、既決箱(アウトバスケット)に入れます。この仕事を演習にしたのがインバスケット演習です。


現在、決裁が必要な書類はITシステムを通じて管理職に提出されることが多くなっていますので、インバスケットが単なる演習としてが独り歩きしているようにも見えますが、管理職の仕事の基本が変わることはないので、インバスケット演習が使用され続けているのです。

 

インバスケットのメリットとは


インバスケットには様々なメリットがあるからこそ、人材教育の現場や昇進昇格試験などで使い続けられています。
 

仕事の効率性を高めることができる

 

インバスケットは元々アメリカの空軍において軍人教育で使われていたトレーニングとも言われています。

 

架空の人物や役職になりきって多くの課題を片付けていくシュミレーションゲームでしたが、現在では多くの企業や社員教育の現場で活用されています。このゲームでは、自分の持っている能力を最大限に活用して課題を解決するように導かれています。

 

制限時間の中で様々な事を処理していかなければならないので、自分の行動や考え方が回答にはっきり表われ、普段の仕事の進行の仕方や判断力が見えてきます。

 

つまり、インバスケットで自分の仕事における欠点を客観的に見つめ直す事ができ、それを改善できるのです。

 

これができるようになると、仕事が飽和状態になって片付けられなくなる様な事が避けられます。

 

何から手をつければ時間内にスムーズに仕事ができるか優先順位を考えられるようになります。

 

仕事全体を見て判断ができるようになり自信がつきます。本質的に問題が解決できるようになります。

 

時間内に処理すべき仕事が多すぎると、頭が混乱して余計時間がかかってしまうケースが多くありますが、このゲームでトレーニングすればコツがわかり自信がつくので、思考や判断に余裕ができ、大量の仕事や課題も順序良く処理できるようになるのです。

 

判断力を強化する

 

イエスかノーの判断をするだけでその後の会社の売上が大きく変化するビジネスの現場では、常に限られた状況の中からもっとも適切な判断を下せる能力が必要になります。

 

特に、様々な要因が複雑に絡み合うような事例においては、一つの決断によって生じる様々な今後の展開を事前に予測、シミュレーション分析をする必要があります。

 

根拠のある選択をすることで、より良い将来を得ることができますので、このような特定の条件下で正しい判断ができるビジネスマンは従業員に限らず、経営者にとっても役立つ能力になり、それを鍛えるのがインバスケットになります。

 

未処理箱を意味するインバスケットでは、ゲームの参加者は常は登場人物の一人になりきり、その場でもっとも高いパフォーマンスを制限時間内で発揮する必要に迫られます。

 

インバスケットではそれぞれの課題に対して明確なゴールと制約が設定されていますので、ただ自由にアイデアを出すのではなく、現実の問題として認識し、パフォーマンスを出すことが求められます。

 

もちろん、型にはまった回答を出す必要はなく、ゲームの性質を活かして柔軟に斬新なアイデアを出しても大丈夫になります。

 

インバスケットを繰り返していきますと、やがてどのような状況下でもパフォーマンスを高める決断を下せる判断力がつき、それは実際の現場で大いに役立ちます。

 

思考を強化し、現場で成果を出す

 

ビジネスの現場では常に様々な問題や課題、目標が設定されます。

 

ビジネスマンは常に変化する環境の中で、柔軟に問題に対処、課題を解決し、そして目標をクリアする必要が出てきます。

 

しかし、状況が複雑化しますと、一体今自分はどのような行動をとれば良いのか判断がつかず、正しいアプローチができなくなってしまいます。

 

このような常に高いパフォーマンスを求められる現代のビジネスの現場において、インバスケット型の思考ができるビジネスマンは他のビジネスマンと比べてより柔軟に、そして冷静に物事を判断、高い結果を出すためのアプローチを実践できます。

 

今まではインバスケットの中であった事例を本物の目の前の事例にあてはめることで、客観的に現在の状況を分析し、ゲーム感覚で課題にアプローチすることができるようになりますので、インバスケット型の思考ができるビジネスマンは常に誰よりも優秀な回答を出すことができるのです。
 

インバスケット演習の形態とタイム・スケジュール


インバスケット演習は、アセスメントセンターメソッドで、つまり受験者が会場に集合する形で行われます。最初に、受験者には「指示書」「案件」「処理シート」が配布されます。


最初に事務局が10分程度で指示書を読み上げます。この時、案件に目を通すことは禁止されています。受験者は指示書の読み合わせが終了した後に、案件に取り掛かることになります。案件を処理できる時間は、90分〜180分程度です。


インバスケットの難易度は、第一に処理時間とボリュームのバランスによって決まるため、案件の処理時間は、案件の文字数(≒ボリューム)によって調整されます。原則的には、全ての案件を何とか処理できる時間が制限時間として設定されています。
 

インバスケット演習における指示書とは


指示書には、受験者が担う役職・会社の概要や経営状況・任される組織の状況等が記載されています。会社の業種や状況は実に様々ですが、受験者が置かれる状況は概ねどのインバスケット演習も変わりません。多くの場合、営業所等に一定時間(90分〜180分)の間カンズメにされ、終了後は即刻数週間の出張に出かけることになります。カンズメにされている間は誰にも相談ができないというのも変わりません。このような状況設定は、インバスケット演習に特有なもので、これにより受験者が行動せざるを得ないように設計されているのです。
 

インバスケット演習における案件とは


インバスケット演習は、15〜30程度の案件で構成されています。案件はインバスケット(未決箱)に入っている書類とみなすことができます。受験者は、時間内にこれらの書類をできるだけ多く処理することが求められます。


一番最初の案件には、組織のカレンダーや組織図、就業規則、収益状況が記載されています。2つめの案件以降の内容は様々ですが、共通しているのは、評価したい能力がはじめにあり、その能力の発揮度を測定するために案件の内容が設定されているということです。また、案件の順番も意味があります。案件には関連性があるものが含まれており、関連性がある案件は、離して並べられているのが一般的です。


インバスケット演習のポイントはこちらを参照して下さい。
 

>>インバスケット攻略法

>>インバスケットで評価を上げるコツ
 

インバスケット演習の難易度と試験の階層の関係


難易度は制限時間とボリュームのバランスによって決まると書きましたが、単純に試験の階層が上がるとボリュームが多くなり、制限時間が短くなるという訳ではありません。


初級管理職試験のインバスケットと上級管理職試験用のインバスケットでは、評価される能力が異なるため、インバスケットの内容も変わります。初級管理職試験では、一定の情報理解力であったり、計画性が求められますが、より上級になればなるほど、問題分析力や決断力、人材の活用力が問われるようになってきます。問われる能力が異なる以上、初級管理職試験を受ける人にとっては、上級管理職試験用のインバスケットは難しく感じられて当然です。従って、販売されるインバスケット演習を購入する際は、対象とする階層を事前に確認することが必要です。
 

インバスケット演習の類型


インバスケット演習には、分析発表演習とセットになったIBAPという類型もあります。この類型は、最初にインバスケット演習を行うことになりますので、普通のインバスケット演習と同じと考えて結構です。
 

インバスケット演習(IB)の最中に面接演習(IS)?


上記でインバスケット演習の流れを記述しましたが、人材アセスメント試験の中に面接演習(IS)が含まれている場合は、インバスケットに取り組んでいる最中に呼び出しがかかり、面接の準備と面接に臨まなくてはいけません。準備に10分、面接に15分ほどですから、25分ほどインバスケットから離れないといけません。


始めてインバスケットを受験する人は、思考が中断するとともに、面接演習で受けた動揺やイライラで、インバスケットに手が付けられなくなることもあります。この点、1回目の受験者よりも2回目の受験者の方が有利です。

呼び出しがかかるタイミングは、研修会社の運営によりますが、インバスケット演習開始から1時間程度で順次呼び出されることが一般的です。

慣れるためには場数が重要なので、はじめてインバスケット演習を受ける方にとっては、困難な状況となりますが、学習の段階から時間管理を徹底して時間厳守で演習で取り組む、練習の合間に弊社の面接演習を使用して擬似的な中断状況を作るなどして対策してみて下さい